2011年10月7日金曜日

「母音調和」の消失

 現代日本語には、こんな「母音調和」の現象はないようにみえる。──ところが、「古代日本語」にはこれが存在した、ということが、明治末ごろから戦前へかけて、橋本進吉博士の研究によってわかってきた。
 万葉仮名の表記法を研究すると、ある系統の単語に使われる漢字の種類と別の系統に使われる漢字の種類が厳然と区別されていることがわかる。そこからつきつめてゆくと、古代──すくなくとも奈良時代までの日本語には、甲類aou、と、乙類ëöï、さらに丙類ei、三つの系統があり、丙類は、甲、乙どちらとも単語をつくるが、甲類と乙類がいっしょになって単語をつくるケースはほとんどなく、とくに甲類oと、乙類öは、絶対といっていいくらいないことがわかってきた。(本文より)

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