2011年10月12日水曜日

日本人は残虐か

 「民族性」という言葉がある。
 言葉はあるが、はたして、それに見あう実体があるか、というと、「人間性」同様、すこぶるあいまいでとらえどころがない。──あまり論ずるに価しないものかもしれない。
 とらえどころはないが、しかしいわれてみると、なんとなくそういうものがあるような気がする。──スラブ民族の粘り強さ、ドイツ民族の規律好き、イギリス民族の冷静さ、ラテン系の情熱などなど・・・・・・たしかに、そういった国々を次々にまわっていくと、そんなものが、ぼやっとみえてくるような気がする。
 しかし、これとて、「そういわれればそうだ」という程度で、逆に、これこその典型的な例だ、と、事例をつきつけ、大声で叫ばれると、はて、と首をひねることが多い。その事例が、かくかくの「民族性」の証明だ、といわれても、冷静にみれば、その証明には、いくらでも反論できるばあいが多い。(本文より)

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